アシュタンガの出来ないアーサナ(ヨガのポーズ)が、あってお困りですか?これから、アーサナが出来るようになるために必要なことをお伝えします。
目次
はじめに
アシュタンガヨガはアーサナの順序(シークエンス)が決まっています。そして、ヨガ流派の中ではかなりの種類のアーサナを行います。プライマリーシリーズ(1st)とよばれるシークエンスも約60種類のアーサナを行います。インターミディエイト(2nd)も約40種類、アドバンスA(3rd)も約30種類、4th、5th、、、と平均して約30種類ずつ増えていきますので、相当な数を行うことになります。
基本的には、ヨガ・マーラー(数珠)と称されるように、一つずつのアーサナが連なって繋がっているように、全てが関連しあっていると言えます。通常、順序通りに行えば出来るようになる。というのが指導者の基本姿勢です。なので、指導者として順番を飛ばして別のアーサナを練習させるなどは邪道。と言えるでしょう。また、プロップスを使用させることも邪道に含まれるかもしれません。さらに、念頭に置く必要があるのは、順序は時代によって(毎年のように)異なっている、進化、変化しているということです。近年は、微妙な変化に留まっているかもしれませんが、現在と過去では、大分違うこともあるようです。
以上が、前提のお話になります。これらを踏まえたうえで次に進みましょう。
プロップスとは、(props:小道具、支柱・つっかえ棒・支え)ヨガの道具のこと。ヨガマット、ヨガブロック、ヨガベルト、ブランケット、ボルスターなどを指す。
※プライマリーシリーズの約60種類のアーサナはスタンディング・シッティング・フィニッシングシークエンスという分類方法の総計を指す。スリヤナマスカーラAとBはアーサナではないとみなす。ダンダーサナ・ポジション、ティッティバーサナ・ポジション、シールシャーサナ・ハーフベンドは、移行の途中とみなしアーサナから除外。ヨガムドラ、ウトゥプルティヒも除外。
※また、名称が異なる場合もあり、ウッティッタ・ハスタ・パダングシュターサナB→パールシュヴァ・サヒタなど。よって正確な数ではないので、±5はあるかもしれない。
決められた順番通りに練習をすることのメリット
まずは、順番通りに練習してみましょう。そのメリットは、関連性を以って練習できるという事です。アシュタンガの順序は、アーサナの一つひとつが分断されたものではなく、お互いに関係しあっています。アシュタンガの順序には、意味があります。何の脈絡もないように急に難しいアーサナが出てくることは否定しませんが、基本的には、スーリヤナマスカーラA&B、スタンディングシークエンスに基礎となる体の動かし方が含まれています。その後のアーサナを行うごとに、+αとして体の動かし方が追加されていくのです。
そうやって、アシュタンガの順序は基礎となる体の動かし方+α応用、応用、応用!を繰り返すようにできています。もしも、出来ないアーサナがあるのであれば、基礎となる体の動かし方を体得してください。体得するうえで、SHINGOがオススメしているのは、スタンディングシークエンスこれです。これを、きっちり行うこと。
もし、あなたに出来ないアーサナがあったとしたら、その前に行ったアーサナにヒントが隠されているということです。ですから、その前までのアーサナをしっかりと練習することです。しっかり練習するというのは、各アーサナをしっかりと理解し、身体の使い方を体得するということです。
アシュタンガの順番に含まれているアーサナの関連性とは
例えば、プライマリーシリーズの後半に出てくるスプタ・クールマ・アーサナで腕を掴めないとしましょう。この腕の回し方は、マリーチ・アーサナDでも、その前に行うマリーチ・アーサナCでも、BでもAでも行いまし、アルダ・バッダ・パドマ・パスチモッターナーサナやアルダ・バッダ・パドモッターナーサナも同じです。そして、この腕の回し方が最初に出てくるのが、シリーズの初めの方に行うパールシュヴォッターナーサナです。下記の動画のタイトルをスイス~イヨガと称しているのは、この腕の回し方が、平泳ぎの腕の使い方と同じで、なおかつ、全て同じ使い方をしていることを表現しています。
動画では、ここで上げた共通点をアーサナを変えて行っています。腕の回し方を詳しく知りたい方はコチラ
つまり、パールシュヴォッターナーサナで腕の回し方をマスターできていれば、目的のスプタ・クールマーサナで腕を掴むことが出来るわけです。ちなみにスプタクールマーサナは、前屈の要素と股関節の可動域も広げる必要があるので、これらもやはりこれ以前のアーサナで関連する要素を理解し、体をうまく使えるようにする必要があります。このように、常にどのポーズも応用、応用の連続であり関連性があることを発見してみてください。
プラクティス~テクニック編~
ドリシュティとウジャーイ呼吸についてこれからお伝えします。ドリシュティとは、アーサナの時に見続ける場所です。ドリシュティ(Drishti)視点・目線。しかし今回はアーサナ(静的な姿勢)でのドリシュティではなく、アーサナとアーサナの移行中。つまりヴィンヤサ(動的な姿勢)でのドリシュティに触れています。
ヴィンヤサでのドリシュティテクニックその1
<上を向く動作の場合>
動く前にゴール(次のドリシュティ先)を先ず見る。
<下を向く動作の場合>
動いてもスタート(今見ているドリシュティ)を見続ける。
ゴール(次のドリシュティ先)を最後まで見ない。
そうすると楽に体が動くようになります。先に見る。最後まで見ない。ということです!!
詳しくはコチラ
ウジャーイ呼吸(勝利の呼吸法)
SHINGOがオススメするウジャーイ呼吸
- 吸いはじめと、吐きはじめをコントロールすること。
- 吸いはじめて息が3~4割ぐらいになったら、身体が吸いたい様に吸わせる。吐くときも同じ。
ただし、喉のコントロールはしておく。
これが成功したとき、さざ波のような音になる。まるで浜辺にいるかのような感覚になります。
だから題して・・・
ウジャーイ~浜辺の呼吸法~
と人は呼ぶ(僕だけ)
呼吸のはじめは音が小さく優しく。途中は大きく大胆に!特に、苦しくなるほどいきなり吸い込もうとしたり、吐き出そうとします。試しに息を止めてみてください。一気に息をすいたくなったりしますよね?ここをコントールしてちょっとずつにするんです。で、呼吸の方向性が定まったら、その方向に息を解き放つんです。是非試してみてくださいね。
詳しくはコチラ
実際にやってみよう!
順番と順序の違い
「順序」は、配列を構成している一つ一つを取り上げるよりも、全体を一つの秩序とみていう語。「順番」は、「順序」ほど全体としての配列にとらわれず、その中で次々に何かに当たるさまをいう。ということで、アシュタンガは「順序」という方が適正かもしれない。